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白い 山紫陽花の花の 画像です

たか さんのページ



少年の心のままに歳を積む
古希目前の父に憧憬れ


悴んだ台地綻び福寿草
春をことほぐ微笑みに似て


悲しみを清く装うルミナリエ
ただ降り積もる宵の白雪


一片の楓零れて年の瀬の
足音を聞く紅葉遊園


薄やいだ曙光のもとで音もなく
独り命を終える秋の蚊


清水の森のかしこに谺する
鳥の啼く音に秋は更けゆく


絶え絶えに老ゆ蚊殺めた日没の
野に冴えかかる虫の音を聞く


ガラス越しに白きのどぶえ震わせて
小虫を狙う蛙身構う


黄昏に美田は充ちて風は鳴り
心涼しく交わす一献


ラウンジで独りグラスを傾ける
ライムとともに家路浮かべて


鴨川の早瀬鳴る音は涼やかに
囃子奏でて月の宵山


雨音が深山に積もる夏至の夜を
幽けく照らし蛍ゆき過ぎ


そよ風は囁きかける野の薔薇に
今日があなたを祝福します


皐月晴れかき曇ってのにわか雨
紫陽花の枝を手折り日帰り


庭の端にあの紫陽花は佇んで
梅雨の滴に謳う日を待ち


木漏れ日よ微笑みかけて新緑に
春の集いに光重ねて


春雨に眼を啓らかれてうたかたの
宴は閉じて郁る新緑


桜鯛付け合わせには桜海老
桜餅など食後にいかが


薄紅の絨毯路辺に敷きつめて
桜立ち去る春の彼方へ


クルーザー桜の水面に浮かべたら
今日は私の琵琶湖記念日


春眠の夢は破れて三井寺の
眼に艶やかに浮かぶ夜桜


花びらを舟と浮かべて渡りたい
琵琶湖へ注ぐ河の水面を


閑閑と人も通わぬ裏路に
ただ慎ましく咲く桜観て


風吹くな雨尚降るなうたかたの
桜並木を今に留めて


梅の香を風よ運んで有明の
白浪照らす月のもとまで


花落ちる滋賀の水鏡春惜しむ
旅人たちの涙に揺れる


麗らかな光集めて春弥生
雲雀旅立て空の雲居へ


風誘い桜ひとひら運ばれて
足向くままに今朝の尾道


「さよなら」を言い置き去った名古屋駅
梅の終わりの桜咲く頃


蓮池に紫雲たなびき孔雀舞う
此岸のことは夢のまた夢


如月の夜の星たちは瞬いて
慰めかける瀬戸の梅林


寒紅梅一枝もいで床の間に
春の日招く今朝の如月


鶯の声なお遠い梅の枝に
淡雪残り花咲くに似て


凍えゆくネオンの海を見晴るかす
眼にひとひらの宵の初雪


猛猛と夜を吹き散らす風の音を
我れ独り聴く部屋の静寂に


寒来れば舟もかしいで清水港
富士白白と天に位まして


子の刻の出雲社の道すがら
降る白雪に積もる足音


人の世の早さに惑う山楓
打ち捨てられつ師走の雨に


この秋を留め置きたく紅葉狩り
寒さ身に凍み落ち葉焚き初め


立山の峰にたゆとう鉛色の
雲かきわけて今朝の初雪


凍てついた冬の星座を温めて
波頭の狭間野間の灯揺れて


木枯らしが路の葉鳴らして陽の影に
冬積もりゆく並木道過ぎ


燃える火を水に浮かべて琵琶湖畔
楓一葉風と戯れ


街の灯と行き交う人とカシオペア
なべて凍える今日の霜月


野良仕事焚き火昇って南辺指す
鴈を送れば冬の訪れ


白川の囲炉裏囲んで灯る火を
雪虫訪ね暮れる霜月


紅葉を十重に連ねて東福寺
立ち去る秋を今に留めて


吐く息が白く変わって湯豆腐と
人肌恋し今日の夕暮れ


七竈楓散らして地錦に
雨は滴いて寒の訪ない


疲れ果て畳み暖む日輪の
火の下迷う老いた秋の蚊


ローソンのおでんつついて西日かな
人肌恋し寒のいり頃


旅ゆけば京山寺の欄干に
人のあまたに陰る紅葉は


車窓より彼方に過ぎる瀬戸山の
紅ない拒む松の蒼さは


くちづけを交わした頬の紅は
紅葉にも似て雪に怯える


どんぐりを二つ繋いでヤジロベイ
いつのことだか寺の境内


山荒び楡の葉叩く木枯らしに
身をすくませて寒の訪ない


秋寂て夕去りつ方木枯らしの
路の葉を散らす鄙の徒然


朧けに灯火の灯る恵那山に
虫の音和して山鳴くに似る


山茜河の碧に移り往く
とんぼ逃れて網に白雲


秋空を女心と掛けて解き
割って切れない想いが残り


月明と虫の奏でが響き合う
十五の夜の野辺の銀鈴


葉は繁げて秋に抗う長月の
つるべに落ちる夕去りの頃


落葉の浮きつ沈みつ下る瀬の
帰る人なき旅のまた旅


稲の穂の頭揃えて秋の風
月明散らす雲も清めて


大磯に孤影を投げる明けの月
気ままに旅す往く川の末


日に月に葉は紅いて秋長けて
足向くままに銀杏狩る山


満月に兎を探す子供など
絶えて久しい人の世の末


松茸に秋刀魚塩焼栗ご飯
月見は二の次いや三のつぎ


家族皆庭を賑わすこの宵に
出ず新月にかかる雲なし


賢し気に歌詠み交わす十五夜に
子ら笑み合いて団子頬ばる


頭垂る稲穂の黄金田に満ちて
月清げにて群雲の晴る


満ちて欠け出でて隠れる夜の月は
君の心に似たりとぞ思う


蝉の音も久しく絶えて夜もすがら
月涼しむらし雲の間にまに


六畳の小部屋の窓に陽は落ちて
蝉の音遠し秋風の来る


蝉の音も遠くなりつる夕映に
夏傾きて涼風の吹く


覚めつつもまどろみつつもただ君を
憂き世の中の寄す処とぞ思う


往く川の水面に映る灯籠に
夏暮染めて茜空


陽が落ちて野辺より戻る童らに
外灯ともり夜もすがら


うたた寝の本を枕に見る夢に
朧に浮かぶ君の面影


夕焼けの軒端に遊ぶ赤とんぼ
小さく見えるあの頃の服


蝉の音をかましとぞ聞く昼下がり
やや飽きにけり夏の風物


涼風に照る陽衰う暮れ染めの
大地に踊る影法師


大風の過ぎける後に白雲の
こなたに見ゆる赤い砂浜


かげろうの薄衣を捨つ黄昏の
今を限りの命と思わば


簾さす影さやかなる望月の
連理の枝に花の添う頃


風鈴の声や涼しく夏に染む
列車のさった或る駅の午後


雲立ちて雨来にけらし渡月橋
家路を急ぐ人と鵜と舟


雨過ぎて虫の音満ちる草の原
月もそぞろに歩く夏の夜


日に月に憂ひ伸びつる深草の
仮の宿りにつかの間の客


和歌浦の紀伊の山越ゆ天つ方
雨が下しる波の間に間に


東雲の明かりに追わる後朝を
つれなしと聞く庭の鷄だに


風絶えて照る陽紅声も無く
静けさを聴く図書室の夏


苛政より虎よりもなほいみじきは
吹き荒びける今朝の大風


若鮎に鱧の骨切り冷そうめん
もの思う夏になりにけるかも


風鈴のかそけき夜を驚かす
しじまに渡る風の声かも


明日から来なくていいよと肩たたき
夕陽の懸かる細い坂道


おもひつつ寝ればやとても寝つかれず
はや東雲か夏の短夜


梅雨過ぎて今日夏立てり蝉しぐれ
富士の高嶺も夕立にけり


南風吹きたる川辺草や木の
揺れて葉擦れる音のさやかし


戻り来ぬ昔を今にと寄せ返し
あだに砕ける沖浦の波


風渡る丘の緑と暮れる陽と
君が描きけり夏の肖像


蝉の声はや待ち遠し梅雨空の
雲の彼方に見ゆる恋かも


夏祭り笛と太鼓は競えども
君なかりせば何か甲斐ある






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